ブログ
腸が元気になると幸せを感じる
前回に続き、腸が健康になるとどのような効果があるのかについてお話しいたします。
腸が元気であると、人は幸福感を持ち、ストレスに負けない精神力を持ち続けられます。
うつ病や自殺も減ります。
腸には約1億個の神経細胞が存在し、人体においては脳に次ぐ多さです。
しかも、腸のコントロールは、すべて脳が支配しているのではなく、腸が自ら判断を下す機能を持つことから『第二の脳』とも呼ばれています。
なかでも特に注目されているのは『脳腸相関(のうちょうそうかん)』と言う双方向のネットワークです。
脳と腸の情報交換は脳からの一方通行ではなく、腸からも脳にメッセージを発信するというものです。
つまり、腸内の状態によって、その情報が脳へと伝えられ、そこから体のあらゆる場所に影響及ぼすことが分かっているのです。
腸と自律神経
「旅行に行くと、必ず便秘になる」とおっしゃる方が多いですね。
また、人前でスピーチをするなどの緊張する場面があると、「お腹が痛くなって下痢になってしまう」と悩んでいる方も多いですね。
内臓、血管などの働きをコントロールし、体内の環境を整えると言われている自律神経には交感神経と副交感神経という2つの神経があります。
一般的に自立神経は、心と体の状態を活発にする交感神経と、心と体を休ませる副交感神経があり、それぞれが反対の働きをしています。
これが、消化管の運動に対しては逆に働き、副交感神経によって活発になり,交感神経によって抑制されます。
旅行先で便秘になるのは、日常と違う不慣れな環境に脳がストレスを感じ、交感神経が働きすぎることで腸の動きが低下して起こります。
緊張する場面で下痢になってしまうのは、「これは失敗できない」と言う強い不安(興奮)を抑えようと、副交感神経が働きすぎ、腸の動きが活発になってしまうことなどで起こります。
このように脳のストレスは、ダイレクトに腸に伝えられます。
しかも逆に、腸の不調が脳へと伝わると言う悪循環にはまってしまうのです。
腸の調子が悪く悩んでいる方のほとんどは、やはり表情が暗く、元気がありません。
実際、うつ病の患者さんには便秘や下痢が多いと言うデータもあり、心の健康と腸内環境は密接なつながりがあると考えられます。
心と体を健全な状態に保つには、腸の健康維持することが欠かせません。
腸と幸福
人間の情緒に影響するホルモンで『セロトニン』という物質があります。
幸福感との関連があることから『幸せホルモン』とも呼ばれています。
セロトニンの9割が実は脳ではなく腸管で作られています。
驚きですよね。
セロトニンには、
・腸管(ちょうかん)の蠕動(ぜんどう)運動を活発にしたり、
・自律神経のバランスを整えて、心を前向きにしたりする作用があるとされています。
※蠕動(ぜんどう)とは・・・腸内の食物を動かす運動のこと
また、興奮物質であるノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑える効果があるため、イライラなどを起こしにくくなります。
心の平穏には、これらのホルモンの分泌がカギとなり、それに影響するのが腸内のバランスです。
つまり、腸は幸福で安定した精神状態にも大きく影響していると言えるでしょう。
次回はいよいよ、ではどうしたら腸内環境を整えることができるのかなどお話をしますね。