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腸内フローラと腸内細菌と腸の構造について
テレビなどで『腸内フローラ』という言葉を耳にすることが増えました。
○腸内フローラとは
腸内フローラとは、便の腸内細菌の集合、集まりのことです。
フローラというのは、お花畑([英] flora)という意味で、顕微鏡で腸の中を覗くと、それらはまるで植物が群生しているようにみえることから、『腸内フローラ』と呼ばれるようになりました。
○腸内フローラと健康の関係性
腸内フローラを構成する細菌の種類やバランスは一人ひとりで異なっていて、同じ人でも食生活など生活環境や加齢などの影響によって変化していきます。みんな同じではありません。
多くの研究で、腸内細菌の変化が糖や脂質の代謝などに影響することがわかってきました。
また、海外の研究によると、
・肥満の人は、腸内細菌の多様性が失われていることや、
・90歳を超えても、若々しい高齢者の腸内フローラは、健康な30代の若者と変わらないこと
などが報告されています。
腸内フローラは加齢とともに変化し、いわゆる悪玉菌の割合が増加して、腸内細菌の多様性も失われていきます。
年をとっても、健康で若々しい体を保つには、多彩な細菌がバランスよく生息する腸内フローラを維持することが重要と言えます。
私たちが健康を維持するには、膨大な腸内細菌の花を咲かせ、お花畑(腸内細菌の集まり)を美しく整えることが必要不可欠です。
そしてそのために私たちができるのは腸内細菌が喜ぶ食材を選び、腸内フローラのバランスが崩れるような食事や生活をしないことです。
○3種類の腸内細菌とその働き
ビフィズス菌や乳酸菌に代表される『善玉菌』、ウェルシュ菌・大腸菌などの『悪玉菌』、そしてバクテロイデス門やレンサ球菌など種類が豊富な『日和見菌』が腸内に棲息しています。
3種類の菌がそれぞれ協力しあって、健康的に働ける環境を整えることが重要なポイントです。
善玉菌は体に良い働きをし、悪玉菌は悪さをする菌だと思われがちですが、これは誤解です。悪玉菌も体に必要な菌の一つで、善玉菌をサポートしててくれる大事な要素です。
ただ、悪玉菌が増えると善玉菌を邪魔して腸を老化させ、免疫力も低下させることになるので、あくまでも腸内は善玉菌優位の状態にすることが大切です。
また日和見菌はというのは、勢力の強い菌の味方になります。善玉菌が優勢なら善玉菌の味方となり、悪玉菌が優勢なら悪玉菌の味方になります。だからこそバランスが大切なのです。
理想は善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7というバランスです。
ちなみに肉類や甘い物、お酒が好きな方は悪玉菌優勢になりやすいので気をつけてください。
また残念ながら現代人は食事の乱れや、不規則な生活によって腸内細菌が減少したり、加齢によっても悪玉菌が優勢になるなど腸内フローラが乱れがちです。
ですから、若々しく美しく健康でいるためには、注意していく必要がありますね。
○腸の構造・働き
次に腸の構造・働きや効果をお話していきたいと思います。まずは腸の構造です。
画像にあります赤色の部分が大腸です。
大腸の長さはどれぐらいかご存知でしょうか?
全長は約1.5mから2mで、大きく結腸、直腸と肛門の3つに分類されます。
食べ物は、食道・胃・十二指腸から、スライドのピンク色部分の小腸から大腸に入ると、まず盲腸をとおり、上に行く上行結腸、横に行く横行結腸、下に行く下行結腸、そこからS字状に曲がったS状結腸を通って直腸を下って肛門から便として排出されます。
この腸の構造も後日お話しする排便の仕組みに関係あるので覚えておいてくださいね。
次回は腸が健康になるとどのような効果があるのかお話しいたしますね。