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汗でお困りの患者さま①
汗でお困りの患者様①
こんにちは
これからは汗をかくことも多くなるので、何回かに分けて、汗についてお話させていただきますね。
先日、製薬会社の1周年記念のWEBセミナーがあり、皮膚科・形成外科・精神神経科・薬剤部の先生方とご一緒に、
私は内科の担当として講演させていただきました。
他科の先生方と一緒に講演をする機会はあまりないので、私自身も大変勉強になりました。
内科の担当は私ひとりだったので、「内科を受診される汗でお困りの患者様」をテーマに話しました。
汗でお困りの患者様の主な原因は、以下があげられます。
・更年期障害
・甲状腺機能亢進症
・感染症
・循環器疾患
・低血糖症
・悪性腫瘍や膠原病
・中枢神経疾患
・薬剤の副作用
・その他、パーキンソン病・自律神経疾患など
私が女医ということもあり、汗でお困りの患者様は圧倒的に『更年期障害』の方が多く、
次に多いのが『甲状腺機能亢進症』の患者様です。
この二つについては次回に少し詳しくお話させていただくとして、今回はその他の原因を簡単に紹介させていただきます。
◯感染症
ほとんどが発熱を伴って全身の発汗を認めます。
肺炎や結核、尿路感染症、扁桃炎などが代表的です。
◯循環器疾患
当院では心筋梗塞・大動脈解離の患者様が汗がたくさん出ると訴えて来院される患者様が意外と多いです。
診るからに顔面も蒼白なことが多く「冷や汗」という感じです。
汗以外では、胸痛や胸のあたりが変な気分という症状が多いです。
中には胸痛などの症状が無い場合もありますが、まずは心電図を取ります。
すると心筋梗塞などの異常所見がでた場合は、近隣の循環器にを紹介させていただくこともあります。
◯低血糖症
最近の糖尿病のお薬(血糖降下剤・インスリンなど)は、低血糖の副作用は少なくなったので、
低血糖の患者様は少なくなりましたが、以前は、低血糖の患者様を診察することもそう珍しいものでもありませんでした。
症状は冷や汗、手や指の震え、倦怠感が主なものです。
◯悪性腫瘍や膠原病
悪性腫瘍や膠原病なども発熱と汗がみられることがありますので、微熱と汗が続く方には、そのような検査も追加することがあります。
◯中枢神経疾患
脳血管障害、外傷、脳腫瘍、脳炎などにより発汗中枢が損傷すると全身性多汗が生じます。
◯薬剤の副作用
抗うつ薬、抗躁薬、抗不安薬などの向精神薬、非ステロイド系抗炎症薬、ステロイド剤内服中に発汗が増加すると言われています。
次回は『甲状腺機能亢進症』の汗の特徴についてお話しますね。