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予防医学

予防医学について

今までの医療は、病気になったときに医療機関へ行く「治療医学」が一般的な考えでした。
しかし近年、医療への意識の改善や医療設備の発展に伴い、病気にならないように日頃から予防する「予防医学」への関心が高まりつつあります。

予防医学の目的は、病気の予防だけでなく既に発症した病気の進行を遅らせたり、再発や他の病気の併発の防止、社会復帰の早期化なども含まれています。さらにそれぞれの目的に合わせて1~3次に分類され、様々な状態において「体の状態を悪化させない」ための施術などが設定されています。
予防医学を徹底することで、個人の健康寿命の延伸はもちろん、日本において深刻な問題となっている高齢者の医療費増大の抑止にもつながるとして強く推進されているのです。

予防医学が必要な理由

QOL(生活の質)を向上させることができる

「予防に取り組む」ということは、疾患を防ぐだけでなく、日々体調に気を配ることでもあります。すると、結果的に健康が増進される作用があります。
健康的な状態が長く維持できれば、仕事や学業、家事などの効率も上がりますし、趣味や家族・知人との時間を楽しみやすくなります。
また健康上問題がなければ、外出やスポーツのほか、毎日の飲食も存分に楽しめます。つまり予防に気を配ることで、QOL(生活の質)は大きく向上するのです。

超高齢社会に備えられる

高齢者が人口の21%を超えている状態を「超高齢化社会」と呼びます。私たちが住む日本では、2005年に20%を超え、22年にはすでに29%に達しています。つまり、日本は慢性的な超高齢者社会におちいっているわけです。
これによって医療費は増え続けていますから、今後も医療費負担が上がっていく可能性が高いのが実情です。そのため当院は、悪くなってから治療するのではなく、悪くならないように予防するという考え方を推奨しています。

慢性疾患への対策ができる

厚生労働省の発表によれば、日本の2022年の死因第1位はがんで全体の24.6%、2位は心疾患で14.8%、3位は老衰で約11.4%、4位は脳血管疾患で6.8%でした。老衰は予防で防げるわけではありませんが、がん、心疾患、脳血管疾患は予防が可能です。
特にがんと心疾患は増加傾向が顕著なので、予防を心がける必要があります。食生活を含む毎日の生活習慣を見直し、定期的な検査を受けることなどでこれらの疾患を防いでいきましょう。

予防医学の3つの段階

予防医学は、1次予防から3次予防までの3段階に分けられます。1次予防は健康な状態で始める予防、2次予防は疾患の早期発見のための検診、3次予防はリハビリテーションです。
過去には2次予防と3次予防が中心でしたが、厚生労働省は近年1次予防を重視しています。多くの人が疾患の予防に取り組むことで、国としては医療費削減ができますし、私たちは健康に生きることができます。

1次予防

1次予防の中心は日常の中で疾患のリスクを減らすことにあります。具体的には生活習慣の見直し、予防接種や健康のための教育が全体としての取り組みです。個人としては、食生活に気を配り、十分な睡眠や適度な運動を取り入れ、禁酒や禁煙などに取り組むことが推奨されます。
1次予防を進めると、疾患のリスクが減って健康に暮らせますし、2次予防、3次予防のコストも下がります。

適度な運動
バランスの取れた食事
禁煙・禁酒

2次予防

2次予防は、検診や健康診断によって、発症している疾患を早期に発見し、軽症のうちに治療することを目指すものです。重症化すると治療が難しい病気でも、初期段階なら治療しやすいことが多く、症状や治療の苦痛、治療にかかる費用や時間も少なくて済みます。

3次予防

3次予防の中心はリハビリテーションと保健指導です。発症した疾患の進行を抑えたり、再発を防止したり、機能の維持・回復を目指して社会復帰につなげることなどが大きな目的です。リハビリテーションの多くは、がん治療後や脳卒中、心疾患や神経筋疾患のあとに実施されます。
3次予防は疾患の発見や治療開始のタイミングが遅いほど、時間や手間を要することが多い特徴を持っています。3次予防のコストを下げるためには、1次予防で疾患を防ぐこと、2次予防で早期発見に努めることが重要です。