診療時間
9:00~12:00 / 15:00~18:00
※火曜・金曜の午後は、16:30~19:30
休診日
水曜・土曜午後・日曜・祝日

内科

内科について

咳、痰、喉の痛み、発熱、腹痛、下痢、吐き気などの様々な急性疾患について診療いたします。
ただの風邪と思いこんでいると肺炎など重篤な病気を引き起こすこともあるため、症状が悪化する前に受診することが何よりも大切です。また高血圧、糖尿病、高脂血症など生活習慣病をはじめとする慢性疾患についても、幅広く対応いたします。

はっきりとした症状が出ている時はもちろんのこと、「何となくだるい」「食欲がない」 「原因がわからないけど、何となく体調が悪い」など、原因のはっきりしない体調不良の場合についても、お気軽にご相談ください。

このような症状のある方はまずはご相談ください

  • 発熱しており、なかなか熱が下がらない
  • 喉の痛みや咳がある。鼻水がでる
  • 血圧が高い傾向がある
  • 胸やけしがち、食欲不振
  • 胸の圧迫感や動悸がある
  • 頭痛やモヤモヤ感がある
  • 足がむくみやすい
  • 発疹が出ている
  • 胸や背中に急な痛みを感じる
  • 階段や坂道を昇るときに息切れする
  • 喉が渇きやすく、水を飲む回数が増えた
  • 尿が出にくい、近い、量が変わった、血尿が出る
  • 便秘や下痢しやすい。いつもと違う色の便が出た
  • だるさや疲労を感じやすくなった
  • 大きく痩せた、大きく太った

感染症

風邪

風邪の代表的な症状としては、鼻水や鼻づまり、咳や痰、喉の痛みや頭痛、倦怠感や関節痛が見られます。
発熱するのは人体が備える免疫システムによるものです。免疫力を高めて白血球が効率良く病原体を退治する為の生体防衛反応なのです。

検査について
一般の方には、風邪とインフルエンザは混同されやすい傾向があります。当院ではインフルエンザの疑いがある場合、迅速検査による診断が可能です。早期対応でご自身や周囲の方を守りましょう。
治療について
症状の緩和を目的とした投薬を行いますので、出ている症状はもらさずお話しください。例えば、頭痛や喉の痛み、発熱などが大きい場合鎮痛解熱剤を処方します。また、咳があれば咳止めを、痰が絡むようなら痰きりのお薬を出すことで、つらい症状を和らげることができます。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスに感染して起こる病気です。
一般的に1~3日の潜伏期間を経て、その後突然、38度以上の高熱と同時に関節痛や筋肉痛、倦怠感など、全身症状が現れます。
例年、12月~3月に流行のピークを迎えます。

検査について
インフルエンザ迅速診断キットを用いて、検査いたします。
発症直後12時間以内では、体内のウイルス量が少なく「陰性」と判定される場合があります。そのため、正しい検査結果を得るためにも発熱してから12~24時間経過して検査を受けることをおすすめします。
治療について
抗インフルエンザ薬を使用します。
インフルエンザの治療は、発症後48時間以内の早期に開始すると治療効果が得られやすいですが、2日以上経過しての治療は、効果が期待できにくくなります。

コロナウイルス

新型コロナウイルスに感染・発症したときの症状は、従来の風邪と共通する点が多数あります。そのため、症状だけで見分けることは困難です。
さらに、感覚障害が出る場合もありますし、皮膚や循環器、消化器など様々な部位に影響が出ることもあります。これらの点を総合的に判断し、慎重に対処することが求められます。

検査について
新型コロナウイルスに関連する検査には、PCR検査、抗原検査、抗体検査の3種類があります。
PCR検査は、唾液や鼻咽頭ぬぐい液の中に新型コロナウイルスの遺伝子が見られるかを検査します。 一方、抗原検査ではコロナウイルスが持つ特定のタンパク質を検出することで、感染を確認します。 抗体検査は、過去に感染したことで、体内に新型コロナウイルスに対する抗体ができているかどうかを調べるものです。
治療について
新型コロナウイルスの治療薬で、厚生労働省が承認しているのは、抗ウイルス薬、中和抗体薬、抗炎症薬の3種類で、それぞれ重症化を防ぐ目的で使用します。抗ウイルス薬と中和抗体薬は軽症の方にも使用できますが、抗ウイルス薬の中には中等症の方を対象とするものもあります。

肺炎

肺炎は、肺にウイルスや細菌が侵入し、感染が起こることで発症します。高齢の方や慢性疾患がある方など、免疫力が低いケースで重症化しやすいことが大きな特徴です。
また、若年層や小児では、マイコプラズマ感染による肺炎も見られます。症状としては、咳や痰、発熱や呼吸困難、胸の痛みや息苦しさなどが代表的です。
中には息苦しさを感じにくいことなどで風邪と勘違いされる場合もありますが、早急な対応が必要な場合もあります。そのため高熱や咳があれば、ぜひ早めに受診してください。

検査について
肺の炎症はレントゲン写真で確認できるので、肺炎の疑いがあればまず胸部レントゲン検査を行います。また、胸部CT検査で他の疾患ではないかを特定する場合もあります。さらに、痰から原因を調べる喀痰(かくたん)検査や、炎症反応や白血球数を見るための血液検査も状態に合わせて実施します。
治療について
肺炎の治療では、原因であるウイルスや細菌を駆逐する必要があります。ウイルスには抗ウイルス薬を使いますし、細菌が原因なら抗菌薬を処方します。原因を特定するために喀痰(かくたん)検査を行いますが、この検査でも原因がわからない場合もあります。その際には状況から原因を推定し、有効と思われる薬剤を使います。

胃腸炎

胃腸炎はウイルス性であることが多く、症状としては下痢や腹痛、嘔吐や嘔気などが代表的です。 特別な治療をしなくても時間の経過とともに症状が解消する場合が多い疾患です。
とはいえ、重篤化する場合もあるので、胃腸炎と思われる症状があれば、まずは受診されることをおすすめします。

検査について
診察時に症状の確認、飲食の内容、周囲の流行状況、最近の海外渡航歴、服用薬の有無などの詳しい問診を行い、必要に応じては検査を行いますが、一般的には検査を行わず治療を開始することが多いです。さらに、胃腸炎の症状があっても他の疾患が疑われる場合、心電図検査や血液検査を行って疾患の特定を目指すケースもあります。
治療について
多くの胃腸炎は特に治療をしなくても自然と治癒するものが多いです。また、胃腸炎になると水分摂取がしにくいうえに下痢や嘔吐を伴うこともあるので、脱水に注意するようアドバイスを行います。他の疾患がある場合や症状が強い場合は、状況に応じた対処が必要となり、吐き気止めや整腸剤などの処方や点滴をすることも有ります。

尿路感染症

尿路感染症とは、腎臓や膀胱の細菌感染によって起こる疾患で、代表的なものには腎盂(じんう)腎炎や膀胱炎などがあります。
腎盂腎炎は腎臓で起こった細菌感染によって発症します。急な発熱のほか、腰や背中の痛みを伴うことが多く、重症化すると命に関わる場合もあります。
膀胱炎は、腎臓より下側にある膀胱で起こる細菌感染に起因します。尿道から入り込んだ細菌が原因となることが多い疾患で、排尿時の痛みや残尿感、下腹部の鈍痛や排尿の回数増加などを伴います。 尿道が短いことや、尿道口の位置が感染源に近いことなどから、腎盂腎炎と膀胱炎は男性よりも女性の方がかかりやすい疾患です。

検査について
尿路感染症に対しては、まず症状を詳しく知ることから始めますが、状態に応じて尿培養検査や尿検査を実施します。尿培養検査は細菌の種類を特定できるうえに、薬への感受性を把握できます。検査結果が出るまで3~5日ほどかかるので、その間には感染例が多い菌種を想定した治療を実施します。
一方尿検査は1分程度で終わることが特徴で、尿内の亜硝酸塩や白血球などを確認し、細菌の存在を調査します。
尿培養検査も尿検査も、患者様には尿を専用カップに取っていただくだけなので、身体的負担はありません。
治療について
尿感染症の治療は、抗生物質(抗菌薬)を使って原因である細菌を駆逐する方法が主流です。
腎盂腎炎の場合、点滴または内服薬による治療で10~14日程度を要します。発熱があるうちは抗菌薬の点滴を行うことが多いですが、熱が下がれば内服薬に移行します。重症化しているときや、神経疾患、糖尿病、泌尿器疾患などを併発していれば入院して治療することもあります。
膀胱炎の場合は、3~7日程度抗菌薬を内服することが多いです。

生活習慣病

高血圧症

高血圧とは、心臓から血液が流れるときにかかる圧力が高い状態を指します。血圧が高いと血管に負荷がかかり続けることから、血管の弾力性が次第に失われていき、動脈硬化が進行します。
動脈硬化自体は症状がないので気付くことはできませんが、進行すると脳梗塞や脳出血、心筋梗塞や大動脈瘤、眼底出血や腎硬化症などのリスクが上昇します。
重篤な状態になることも考えられるので、血圧が高めな方は、日々の注意や生活習慣の改善に取り組むことをおすすめします。

検査について
高血圧とは、医療機関などで血圧を測定した場合140/90mmHg以上、ご家庭であれば135/85mmHg以上の状態を指します。
治療について
高血圧症治療の基本は生活習慣の見直しで、食事療法と運動療法の両輪で進めることが主流です。ほかにも日々のストレスを減らすことや、睡眠時間の確保もおすすめしますし、喫煙の習慣があれば禁煙を推奨します。
上記の方法で改善が見込めない場合は、内服薬の処方を検討します。高血圧症の治療薬は複数存在するので、状態に合わせた処方が重要です。症例によっては複数の内服薬を使って状態の改善を目指すこともあります。

脂質異常症

脂質異常症とは、血液に含まれるHDLコレステロール(善玉コレステロール)が少ない状態、またはトリグリセライド(中性脂肪)やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が多い状態を指します。 放置すると動脈硬化が進んで、脳や心臓のトラブルを起こすリスクが上昇します。

検査について
脂質異常症とは、血中の脂質が正常な範囲を超えてしまう状態を指します。「最近、食事のバランスが悪いかもしれない」「運動不足が気になってきた」とお考えの方は、脂質異常症のリスクが高い可能性があります。病気の診断には、血液検査が欠かせません。主に、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、そして中性脂肪(トリグリセライド)の3つの値をチェックします。体の状態が安定している場合でも、通常、3ヶ月から6ヶ月ごとに脂質の値を測定し、体内の脂質が適切なバランスを保っているかを確認することが重要です。
治療について
脂質異常症の治療においては、日々の生活習慣の見直しが非常に重要です。栄養バランスを考えた食事や定期的な運動は、脂質異常症の治療の基盤となります。生活習慣の改善だけでは十分な効果が見られない場合、医師の指導のもとで薬物療法を行うこともあります。薬物療法は、食事や運動だけでは調整しきれない脂質の値を、適正な範囲内に戻すのに効果的です。

糖尿病

糖尿病とは、血糖値が高い状態が続くことを指します。進行するほど腎不全や心臓疾患、失明などの危険性が上がりますから、血糖値をコントロールすることが重要です。ご相談いただければ、食事療法や運動療法などのアドバイスができます。

検査について
糖尿病を正しく診断するためには、血液検査と尿検査が非常に有効です。二つの検査を行うことで、糖尿病に伴う合併症の可能性についても早期に把握できるため、より適切な治療計画を作成できます。
治療について
糖尿病治療の土台は、適切な食事と運動による生活習慣の見直しが必要です。ただ状況によっては、適切な薬物治療をご提案することもあります。「食事や運動だけで対応できないか」とお考えの患者様もいらっしゃいますが、血糖値が高い状態が続くと、症状が悪化する可能性もあります。血糖値を安定させるためには、早期から血糖降下薬の服用やインスリンの自己注射が必要になるケースもあります。

高尿酸血症(痛風)

高尿酸血症は一般には痛風と呼ばれており、関節に激しい痛みを伴うことで知られています。また、腎臓にダメージが及ぶこともありますし、尿路結石ができることで痛みが出る場合もあります。
尿酸値を抑えるために生活習慣の見直しをアドバイスしますが、状態によって投薬も行います。

検査について
痛風の判断における重要な指標は、血液中に含まれる尿酸の量です。血液中の尿酸濃度が一定の高い値を超えると、本来なら体内で溶けているはずの尿酸が溶け切らず、結晶として固まります。尿酸の結晶が関節や周辺組織に蓄積し、炎症や痛みを引き起こすこと。これが痛風の主な症状です。さらに、尿酸結晶は腎臓や尿道などの器官の機能障害につながる恐れもあります。
治療について
痛風治療の出発点は、食生活の改善となります。特に、アルコール類の消費量を減らし、プリン体を豊富に含む食品の摂取を控える必要があります。しかし、食事指導だけでは尿酸値が望むレベルまで低下しない場合や、実際に痛風の発作が起きた場合には、薬物療法が必要です。専門医の指導のもと、尿酸値を効果的に管理するための薬を処方します。

慢性腎臓病(CKD)

慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の機能が徐々に低下し、その状態が長期間にわたって持続する状態を指します。慢性腎臓病は少しずつ体に悪影響を及ぼしますので、初期段階での発見が非常に重要です。尿検査や血液検査、腹部の超音波検査やCTスキャンといった医療検査を通じて腎臓の機能不全を判断します。腎臓の機能不全が3ヶ月以上続くと、医学的に慢性腎臓病の診断が下されます。

検査について
慢性腎臓病の早期発見には、尿検査と血液検査が重要です。まず、尿検査を通じて、尿中にたんぱく質がどの程度含まれているかをチェックします。たんぱく質が尿中に見られるのは、腎臓がそのろ過機能を十分に果たしていない可能性があるためです。次に、血液検査では、クレアチニンという物質のレベルを測定します。クレアチニンの数値が高めである場合、腎臓が老廃物をうまく尿として排出できていない状態を示しています。これら二つの検査を行うことで、腎臓の機能をチェックすることが可能です。
治療について
慢性腎臓病を管理する際に、食事習慣など日常生活の見直しは欠かせません。病状の度合いや具体的な症状に合わせて、栄養バランスの整った食生活、塩分や脂質の少ない食事、血圧の適切な管理、貧血状態の改善など、幅広いアプローチが必要になります。また、定期的に行われる検査を通じて、病状の変化を正確に把握し、腎機能の衰えを防ぐ治療計画を立てることも重要です。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームとは、お腹の周りに脂肪が多く蓄積することで起こる健康問題の一つです。ぽっこりお腹は、ただの見た目の問題だけに留まりません。内臓脂肪の増加は、血圧や血糖、脂質の数値が正常範囲の超える要因となり、心臓病や脳卒中などの発症リスクを高めます。
メタボリックシンドロームは、外見の変化から健康に関するリスクを読み取ることができるため、日常の生活習慣を見直すきっかけを提供してくれます。

検査について
メタボリックシンドロームを診断するための基準は明確です。男性の場合は腰回りが85cm以上、女性は90cm以上が一つの目安です。さらに、血圧、血糖値、脂質レベル(特にHDLコレステロール低下や中性脂肪の上昇)のうち、2項目以上が一定の基準を上回った場合、メタボリックシンドロームの可能性があると考えられます。
治療について
メタボリックシンドロームの予防と対策には、生活習慣の見直しが必須です。過剰な食事を控え、身体を動かす習慣を取り入れること、適量の飲酒に留めること、タバコをやめることが、健康な体を取り戻すためには欠かせません。当たり前に思われるかもしれませんが、小さな一歩から始めることが、長い目で見ると将来の健康を大きく左右します。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、夜間に大きないびきをかいたり、呼吸が短時間停止したりするのが特徴です。「無呼吸」は呼吸が10秒以上停止する状態を、「低呼吸」は呼吸が顕著に減少する状態を指し、これらが1時間に5回以上発生すると診断されます。呼吸が何度も止まると、体への酸素供給が十分に行われなくなり、結果として心臓疾患や血管の問題など、さまざまな健康上のリスクが高まってしまうのです。また日中の集中力の低下など、生活の質を下げる要因にもなります。

検査について
睡眠時無呼吸症候群を判断するためには、パルスオキシメータを使用したスクリーニング検査が有効です。指にセンサーを装着し、睡眠中の血中酸素濃度と脈拍を測定することで、無呼吸時の酸素減少を確認します。ご自宅での検査可能なのがメリットです。
治療について
治療は症状の重さに応じて異なり、軽症から中等症の場合はマウスピース治療が効果的です。特別にデザインされたマウスピースは、睡眠中に下顎を前方に保持し、舌が気道を塞がないようにしてくれます。気道が開いた状態が維持されるので、睡眠中の無呼吸発作を減少させることが可能です。より重い症状の場合はCPAP療法をご提案します。気道内への持続的な陽圧を加えられる装置なので、呼吸を正常に保つ効果が期待できます。

呼吸器疾患

気管支喘息

喘息患者様の気道に関しては、常時炎症が起こっていて、些細な刺激に対しても異常な反応を示しやすくなっている状態です。通常時でも気道が狭く、空気の通り道が限られています。そのため一般的には、無害なホコリやタバコの煙なども喘息患者様にとっては要注意です。気道が一層狭まり、発作を誘発する原因となります。

検査について
気管支喘息の診断は複合的なアプローチが必要です。呼吸の力を測るスパイロメトリーやピークフローメーター、アレルギーの原因を探るテスト、血液で炎症をチェックする検査、そして息から炎症の度合いを見るFeNOテストなどを行います。時には、CT検査で肺の画像を見ることもあります。これら一連の検査によって、喘息がどの程度あるのかを詳しく知ることが可能です。
治療について
喘息治療の中心は、気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬にあります。最近では、長時間効くβ2刺激薬と吸入ステロイドを一緒に使う治療法が普及しています。この組み合わせ治療により、息苦しさが減り、患者様の生活の質を大きく向上させることが可能です。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患はCOPDとも呼ばれ、(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)の略称です。喫煙などにより、肺が長期間にわたって損傷することで、せき、たん、息切れなどの症状が生じ、日常生活に大きな影響を及ぼし始めます。そのため「肺の生活習慣病」とも呼ばれることがあります。

検査について
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の診断は、主に問診、呼吸の検査、そして胸の画像検査から成り立っています。長引く咳や呼吸困難といった症状を聞き取った後、スパイロメトリー検査を行い、呼吸の力を具体的に測定します。この検査で、特に重要なのは1秒間に吐き出せる空気の量と、深呼吸からの全呼気量です。COPDがある場合、これらの数値が通常より低いことが確認されます。加えて、胸部X線やCTスキャンを用いて肺の画像を見ることで、COPDの重症度や他の肺疾患を区別することが可能です。
治療について
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療では、患者様の生活の質を向上させることを目標に、運動療法、栄養管理、そして薬物療法をバランス良く組み合わせるのが特徴です。具体的には、気道を開くための吸入薬、炎症を減らすための吸入ステロイドなどを用いられます。息苦しさの軽減や体力の向上を通じて、日常生活をより快適に過ごせるようサポートいたします。

肺炎

肺炎は、細菌やウイルスによって肺に炎症が起こる疾患です。長引く咳、38℃を超える発熱、粘り気のある痰、胸部の痛みなどが続きます。風邪やインフルエンザと似た兆候を示しますが、肺炎は肺自体が炎症を起こすので、息苦しさや胸部の痛みなど特徴的な症状も出てきます。肺炎と聞くと、シニア世代に罹患するイメージがありますが、「マイコプラズマ肺炎」は若い世代も多く発症するので注意しなればなりません。

検査について
肺炎の診断には、画像診断と血液検査、そして微生物学的検査が中心となります。最初に、レントゲンやCTで肺の状態をチェックし、炎症の有無や範囲を確認します。続いて、血液検査で白血球の増加やCRPの上昇を測定し、体内の炎症レベルを評価します。しかし、これだけでは足りません。治療計画を作成するためには、培養検査、PCR検査、血清学的検査を用いて、病原体を特定する必要があります。
治療について
肺炎の原因病原体が明らかになれば、その病原体に対応した抗菌薬を処方します。細菌性肺炎では抗生物質、ウイルス性肺炎には抗ウイルス薬が選ばれます。軽症時は口からの薬で対応し、重症時は入院して点滴での薬剤投与や必要に応じて酸素療法を施します。

肺結核

結核は、特定の菌である結核菌によって引き起こされ、主に肺に影響を及ぼす感染症です。ただリンパ節や腸、骨など肺以外の部位にも感染することがあります。過去には多くの人が罹患し、「国民病」とも呼ばれましたが、現在では効果的な治療薬のおかげで完治が期待できる疾患です。
しかし、最近になって薬に耐性を持つ結核菌の出現や、公衆衛生の課題、HIV感染者の増加などにより、再度感染者数が増えつつある状況なので注意が必要です。

検査について
肺結核の検査プロセスは、複数の段階に分かれます。まず、ツベルクリン反応検査やIGRA検査といった血液検査で、体の結核菌に対する免疫反応をチェックします。これにより、結核への感染があるかどうかがわかりますが、感染が活動性かどうかまでは判断できません。そのため、次に胸部X線検査を行い、肺に異常があるかを確認します。X線検査で肺に異常が見られた場合、痰検査を通じて結核菌を直接検出し、肺結核の診断を下します。
治療について
肺結核の治療法は、複数の抗結核薬を組み合わせる方法が一般的です。感染しているにもかかわらず症状が現れていない「潜在性結核感染」においては、発症を防ぐために6ヶ月間の薬物治療が推奨されます。また、他者への感染リスクを考慮して、特定の期間は隔離病棟での治療が必要になることもあります。

消化器疾患

逆流性食道炎

逆流性食道炎は「ストレス」「暴飲暴食」「肥満」「喫煙・飲酒」などの要因により、胃の内容物が食道へ逆流し、食道の内壁に炎症を引き起こす状態です。胃酸の逆流が長時間に及ぶと、食道の粘膜は胃酸の攻撃に耐えられず炎症を起こしやすくなります。結果的に食道がんになるリスクを高めてしまうのです。

検査について
逆流性食道炎の診断においては、信頼性の高い方法として内視鏡検査が行われます。口または鼻から内視鏡を挿入することで、食道の粘膜に炎症や障害があるかを直接確認することが可能です。検査前には、正確な結果を得るための食事制限が欠かせません。このような準備を行うことで、胃や食道の他の可能性のある病気を排除し、逆流性食道炎かどうかを正確にチェックできます。
治療について
治療にあたっては、暴飲暴食や早食いを避けるなど生活習慣の見直しが基本です。症状の改善が期待できない、もしくは重症化している場合は、消化管の運動を改善したり、胃酸分泌を抑えたりするための薬物療法をご提案します。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍と十二指腸潰瘍は、胃や十二指腸の内壁が損傷して、痛みや出血を引き起こす状態です。共に消化性潰瘍に分類されます。胃潰瘍は食事後に痛みを感じやすく、十二指腸潰瘍では空腹時や夜間の痛みが特徴です。これらは主に胃酸の過剰分泌や粘膜保護機能の低下により発生します。

検査について
胃潰瘍と十二指腸潰瘍は、主にヘリコバクター・ピロリ菌の感染や、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期使用が原因で発生します。これらの要因は胃酸の過剰分泌を促すか、または胃の粘膜を守る機能を弱めることによって、潰瘍を形成します。診断には、バリウムを用いたX線検査や内視鏡検査を行います。特に内視鏡検査は、胃の内部を直接見ることができるだけでなく、必要に応じて組織のサンプルを採取できるため、診断の精度を高めることが可能です。
治療について
消化性潰瘍の治療においては、胃酸分泌を抑制する薬剤を用いるのが基本です。特に十二指腸潰瘍の場合は、ヘリコバクター・ピロリ菌に対する除菌療法も効果的です。この治療法は、胃酸分泌を抑える薬に加えて、2種類の抗生物質を用いることで、ピロリ菌を排除し、再発のリスクを減らす効果が期待できます。

ピロリ菌感染

ヘリコバクター・ピロリは胃粘膜に生息し、胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどの病気を引き起こす可能性がある細菌です。感染は主に口から口への接触や不衛生な環境を通じて広がります。多くの場合、感染しても症状は現れませんが、一部では重大な健康問題を引き起こすことがあります。

検査について
ヘリコバクター・ピロリ菌の存在を確認するための主な検査方法には、内視鏡による胃組織の検査、呼気試験、血液検査があります。これらの検査を通じて、感染の有無を特定し、適切な治療方針を立てることが可能です。特に、呼気試験は非侵襲的であり、広く用いられています。
治療について
ヘリコバクター・ピロリは細菌なので、治療においては抗生剤を用います。治療終了から8週間後に呼気試験を実施し、体内からピロリ菌が効果的に排除されたかを正確に評価します。この方法はピロリ菌を効果的に排除するので、胃炎や胃潰瘍、胃がんのリスクを減らすことが可能です。

胃炎

胃の粘膜に炎症が生じる状態を胃炎と称します。大きく急性胃炎と慢性胃炎に分かれます。急性胃炎は暴飲暴食、飲酒過多、喫煙、ストレスなどによって引き起こされるのが一般的です。一方で慢性胃炎は、上記要因以外にもピロリ菌による感染が関与している可能性があります。どちらも放置すると、より深刻な胃の病気へと進行する恐れがあります。

検査について
胃炎の原因を探る際には、内視鏡検査が一般的です。鼻もしくは口からカメラを入れることで、胃の内壁を直接観察できます。病変やピロリ菌の感染の有無を確認した後、場合によっては、検査で得た組織をさらに詳しく調べることもあります。
治療について
胃炎の治療は、症状の程度や原因に応じて変わります。症状が軽度の場合は、胃酸の分泌を抑えたり、胃粘膜を保護したりする薬で症状の緩和を目指すのが一般的な治療方針です。また慢性胃炎の場合は、ピロリ菌の除菌治療をご提案します。一方、症状が改善しなかったり、重症化したりするケースは入院治療となる場合があります。

便秘症

多くの方が悩まされている便秘。医学的には「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」を指します。原因としては、ストレス、過度なダイエット、水分不足、冷え性など多岐に及びます。便秘が慢性化すると、狭心症・心筋梗塞・脳卒中などの発症リスクが高まるため、注意しなければなりません。

検査について
便秘の原因は多種多様なので、状況に応じて適切な治療法を行うことが改善の鍵です。便秘症を診断する際には、問診、触診、打診、直腸診などを組み合わせます。また、X線検査や大腸カメラ検査を通じて腸の状態や形状、便の位置などをチェックすることもあります。
治療について
便秘症の治療は、日々の生活習慣の見直しと薬物療法がメインです。非刺激性下剤の定期的な使用により、便を柔らかくすることで便秘の改善を目指します。ただ通常の治療で改善が期待できなかったり、重症化していたりする場合は、刺激性下剤の使用も検討します。刺激性下剤は、腸を直接刺激して便の排出を促すため、短期間の使用が基本です。

下痢症

下痢症は医学的に「1日に3回以上の軟便または水様便の排泄」と定義されています。ただし、通常の便を何回も排泄することや、母乳で育てられている乳児がやわらかい便を排泄することは、下痢とはみなされません。基本的にはバクテリア、ウイルス、寄生虫などの病原体が腸に侵入し、増殖することで起こる病状を指します。

検査について
下痢の原因を突き止める際、まずは患者様の話を丁寧に聞くことが重要です。「どんな時に下痢が起こるのか」「食べたものに心当たりはないか」といった質問を通じて、詳しい状況を分析します。食中毒や細菌感染が疑われる場合は、便検査や血液検査、超音波検査で腸に異常がないかをチェックします。さらに症状が続く場合は、大腸内視鏡検査で直接腸の中を観察し、原因を特定します。
治療について
下痢の治療は、その原因によって異なります。しかしほとんどのケースにおいては、適度水分補給と安静な状態を保つことが重要です。ただ腸管感染症が疑われる場合は、原因となる病原体に応じた抗生物質や抗寄生虫薬の使用を検討します。また、感染の拡大を防ぐために、適切な手洗いと衛生管理が重要となります。いずれにしても、下痢が続く場合は、一度医師の診察を受けることをご検討ください。

胆石

胆石症は胆嚢や胆管内に石ができる病気です。多くの場合、強い痛みや不快感を伴います。石の位置によって、胆嚢結石、総胆管結石、肝内胆管結石などに分類されるのが特徴です。ただ基本的に「胆石」という言葉は、胆嚢内に形成された石を指します。

検査について
胆石を確認するためには、超音波検査を行うのが基本です。CT検査などに比べると、胆嚢や肝内の結石を高い精度で見つけ出すことができます。ただCT検査も、石灰化した結石を特定したり、胆嚢の周りの炎症を評価したりする際には効果的です。
治療について
胆石治療には、薬物療法や外科的な手術などがあります。薬物治療は特定の結石を溶かすために使用されます。一方で、外科的手段である胆のう摘出手術は、結石による繰り返しの痛みや合併症のリスクを減らすのが目的です。さらに、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)という非外科的なアプローチもあります。これは外科手術の代替として、体外から衝撃波を用いて結石を細かく砕き、自然に排出させる治療法です。

胆嚢ポリープ

胆嚢ポリープは、胆嚢の内側の粘膜層から生じる小さな突起のことです。ポリープのほとんどは良性であり、がんへの変化する可能性は非常に低いと考えられています。しかし、稀に胆嚢がんに進行するケースもあるため、見つかった場合には、注意深く経過観察を行う必要があります。

検査について
胆嚢ポリープは、通常、健康診断や人間ドックで行われる腹部の超音波検査で見つかるケースがほとんどです。ポリープが見つかった場合、造影CTや内視鏡的超音波検査(EUS)など、より詳細な検査をご提案します。複数の検査を組み合わせることで、ポリープの特性やがんに変化するリスクを正確に判断可能です。
治療について
胆嚢ポリープの治療戦略は、ポリープのサイズとがんへの転化リスクを考慮して定められます。がんになる可能性が低いと評価される場合には、治療をせずに定期的な経過観察を行うのが基本的な方針です。一方で、ポリープのサイズが10mmを超えていたり、がん化するリスクが高かったりする場合は、積極的な治療が必要になります。

肝機能障害

肝臓がダメージを受けると、肝細胞が壊れて肝機能障害が生じます。肝機能の異常値は、AST、ALT、γ-GTP、ALP、LDH、ビリルビンなどの血液検査値の増加によって確認できます。これらの指標が上昇するほど、一般的に肝臓の機能障害の程度は重くなります。

検査について
肝機能障害は、定期的な健康診断で初めて発見されることが一般的です。なぜなら肝臓に関する疾患は、しばしば自覚症状が現れにくいためです。正確な診断と病状の把握には、血液検査や腹部超音波検査、フィブロスキャン、MRE(磁気共鳴弾性画像法)などを用います。場合によっては肝生検をご提案することもあります。
治療について
肝機能障害の対処法は原因に応じて変わります。基本的には、アルコールの摂取量を減らしたり、適切な体重に改善したりすることを目指します。ただB型またはC型肝炎が原因である場合には、インターフェロンなどの薬物療法を行うのが特徴です。

脂肪肝

脂肪肝は、肝臓内に脂肪が溜まってしまう状態です。アルコールの摂取量が多かったり、脂肪や糖を多く摂取していたり、運動が不足していたりすると少しずつ肝臓に脂肪が蓄積されます。脂肪肝を防ぐためにはバランスの良い食事と適度な運動が必要です。特にアルコールの摂取量を抑えることは欠かせません。

検査について
脂肪肝の状況を確かめるためには、まず血液検査が重要です。脂肪肝の可能性が高い方は、血液検査において、ALTやAST、γ-GT、コリンエステラーゼのレベルが通常よりも高い傾向にあります。しかし血液検査だけでは症状が確定できないため、腹部CTや腹部超音波検査も併用し、肝臓の構造や脂肪の蓄積具合を把握する必要があります。
治療について
脂肪肝対策として、糖質と脂肪の少ない食生活に改善することが効果的です。食物繊維やたんぱく質が豊富な食品を積極的に取り入れ、アルコール消費を制限し、間食を控えることが欠かせません。ただし、脂肪肝が進行して非アルコール性脂肪肝炎(NASH)や肝硬変、肝がんなどの重篤な肝疾患に発展した場合には、状況に応じて外科的介入が必要になることがあります。

慢性肝炎(B型、C型肝炎など)

慢性肝炎は、B型やC型の肝炎ウイルスによって引き起こされることの多い疾患です。長期にわたり、無症状の状態が続く傾向にあります。しかし、どちらのウイルスも感染経路は異なるものの、肝硬変や肝癌へと進むリスクを孕んでいます。

検査について
慢性肝炎の診断においては、血液検査が重要です。特に、ASTとALTの血液中の値が長期間にわたって高い状態を維持しているかどうかを判断します。これらは肝細胞損傷の指標となるからです。ASTとALTの数値が6ヶ月以上にわたって持続的に高い状態にある場合は、慢性肝炎と判断し、治療を行う必要があります。
治療について
慢性肝炎の治療法は、B型肝炎の場合、インターフェロンの注射や拡散アナログ製剤の服用が基本です。C型肝炎には、リバビリンとペグ化インターフェロンを組み合わせます。ただし、治療方針は肝炎ウイルスの種類やその量によって異なります。特に高齢の患者様の場合は、副作用の可能性を慎重に考慮し、専門医と十分に相談することが求められます。

膵炎

何らかの原因で膵臓に炎症が生じることを膵炎といいます。膵液に含まれる消化酵素により自らの膵臓が消化されてしまった状態です。結果的に、膵臓への損傷と炎症を誘発し、膵臓の組織を傷つけます。
急性膵炎は、この過程が突然始まり、急激な痛みと炎症を伴う一方で、慢性膵炎はこのような発作が繰り返し起こり、時間と共に膵臓の機能が徐々に失われていく状態を指します。

検査について
膵炎の診断を確定するため、医師は血液検査、腹部の超音波検査、そしてCT検査という3つの主要な検査手段を活用します。これらにより、膵臓の炎症の有無、原因の究明、さらには病状の重さを評価することが可能です。特に慢性膵炎の診断においては、膵石が見つかると、その存在が病気の診断に大きな手がかりに繋がります。
治療について
入院をしたうえで、点滴補給と膵炎専用の薬物治療が行われます。慢性膵炎では、アルコールの摂取を避け、適切な食事管理を行うことが治療の基本です。また、痛みのコントロールや潜在的な合併症への対応も必要です。慢性膵炎が急性発作を起こした際は、急性膵炎と同様のアプローチで治療を行います。

循環器疾患

狭心症

狭心症とは、心臓に血液を送る冠動脈が狭くなることにより、一時的に心筋(心臓の筋肉)が酸素不足に陥って胸の痛みや圧迫感を引き起こす病気のことです。

検査について
胸部の痛みや不快感、息切れなどの症状を確認します。また、身体診察を行い、心臓の異常やその他の身体的な徴候をチェックします。そのうえで血液検査、心電図、胸部レントゲン、心臓超音波、血液検査、冠動脈造影、CT検査、腹部超音波検査などを組み合わせます。
治療について
狭心症の治療には、動脈硬化の進行を防ぐため、生活習慣の見直しが不可欠です。特にバランスの良い食事や適度な運動が血流の改善や血管の柔軟性を高める効果をもたらします。ただ、運動プログラムは個々人の症例によっては、リスクになることもあるので、医師と相談の上、方針を決めるのが一般的です。症状の改善が難しい、もしくは緊急性が高いケースにおいては、薬物療法や外科手術を検討します。

心筋梗塞

心筋梗塞(しんきんこうそく)とは、心臓に血液を送る冠動脈という血管が詰まることによって、心臓の筋肉に栄養や酸素が届かなくなり、心臓の筋肉が壊死(えし)する病気です。

検査について
心筋梗塞の診断には、心電図、胸部レントゲン、心臓超音波、血液検査、冠動脈造影、CT検査、腹部超音波検査などを組み合わせます。これらの検査により、心筋梗塞の存在、範囲、重症度を詳しく把握することが可能です。
治療について
心筋梗塞の治療は、症状が軽度の場合は薬物治療を行うのが一般的です。適切な薬を用いることで、心臓の負担を減らしたり、冠動脈を拡張させたりできるので心筋梗塞の発症・予防効果が期待できます。症状が重い場合は、心臓カテーテルによる治療、冠動脈バイパス手術などを行う必要があります。

心不全

心不全は、心臓のポンプ機能の低下により、身体に十分な血液を送り出すことができなくなる疾患のことです。全身の臓器に酸素や栄養が行き渡らないので、胸痛、動悸、息切れ、疲労感、肺のうっ血、体のむくみなどさまざまな症状を引き起こします。

検査について
心不全の診断にあたっては、患者様の具体的な症状や体験を聞き取る問診が重要です。そのうえで、心音の確認、胸部X線や心電図による検査、心エコーでの心臓の動きの観察などを組み合わせて、心臓の機能や損傷の度合いを評価します。
治療について
心不全の治療は、その原因に応じて多岐にわたります。例えば不整脈に起因する場合は、薬物療法や心臓のリズムを修正するアブレーション治療もしくは、遅い心拍数を補正するペースメーカーの埋め込みなどをご提案します。一方、虚血性心疾患の場合は、血流の改善を目指した薬物治療や、カテーテル治療、冠動脈バイパス手術を適宜行う必要があります。

不整脈

不整脈は心臓の鼓動が普段とは異なるパターンを示す状態です。心拍が不規則になったり、速くなったり、遅くなったりするのが特徴です。ストレスや過剰なカフェイン摂取、アルコールや喫煙、さらには高血圧や糖尿病などの要因によって、心臓の電気活動に影響を与え、不整脈を引き起こします。不整脈は誰にでも起こりうる自然な反応ですが、継続する場合には心臓疾患の可能性があり、専門医による診断をお勧めします。

検査について
不整脈の診断には、日常生活での心拍数の変動を記録するホルター心電図、心臓の負荷状態を見る運動負荷心電図、心臓の構造や動きを調べる心臓超音波検査などが用いられます。これらの検査をもとに、不整脈の種類や原因を分析し、適切な治療計画を作成します。
治療について
不整脈の管理には、患者様の健康状態や生活習慣に合わせた治療法の選定が必要不可欠です。治療の主軸としては、心拍数を調節する薬物治療、異常な電気信号を修正するカテーテルアブレーション治療、そして心臓のリズムを安定させるデバイス治療があります。

心臓弁膜症

心臓には4つの主要な弁があり、それぞれ血液が一方向にのみ流れるように制御しています。しかし、何らかの原因で心臓内の一つ以上の弁が正常に機能しなくなると、血液を体全体に送り届けるのが難しくなってしまうのです。これが心臓弁膜症と呼ばれる状況です。弁膜症は先天的か、あるいは加齢、感染症、他の心臓病の結果として後天的に発生することがあります。

検査について
心臓弁膜症の診断には、聴診器を用いた聴診や、心臓の動きや血流の状態を視覚化する心エコー図検査など、複数の検査が行われます。特に、心エコー図検査は、弁の動作状況や血液の逆流の有無を詳細に調べる上で欠かすことのできない検査です。
治療について
心臓弁膜症における治療は、病状の性質に応じて異なります。軽度の場合は、薬物療法による症状の管理および定期的な経過観察をご提案します。ただ薬物療法を行っても症状の改善が難しいケースでは、外科手術を行わなければなりません。損傷した弁の修復や置換、人工弁の挿入、カテーテルにより弁を広げる手法などが代表的な治療法です。

閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症は、体内の主要な動脈が狭窄するか、あるいは完全に塞がれる病状です。高脂肪・高カロリー食の摂取、運動不足、喫煙、過度のアルコール消費などによって、動脈内の脂肪やカルシウムが蓄積されることで発症します。閉塞性動脈硬化症が起こると、血流が妨げられ、全身のさまざまな部位に影響を及ぼしてしまうのです。たとえば、一過性脳虚血発作、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞などの発症リスクを高めます。

検査について
閉塞性動脈硬化症の診断では、医師が足と腕の血圧を比較する特別な検査を行うのが基本です。これは、足の血圧が腕に比べてどれだけ低いかを測定するもので、超音波検査やドップラー聴診器が使用されます。血流の障害が疑われる場合、迅速に治療計画を作成し、患者様の健康をサポートいたします。
治療について
治療に関しては、まず生活習慣の見直しと改善から始めます。バランスの良い食事、定期的な運動、禁煙は、この病気の管理において極めて重要です。食事療法や運動療法などを行っても、症状が改善しない場合、より専門的な治療法を検討します。具体的には、狭窄部位を広げるためのカテーテルを用いた血管内治療や、血流を回復させるためのバイパス手術が代表的です。

脳血管疾患

脳血管疾患は、動脈の問題によって脳細胞がダメージを受ける一連の病気です。症状は突然の頭痛や嘔吐、意識の混濁、物を認識する能力の低下など多岐に及びます。発症リスクを高める要因は、不規則な食生活や運動不足、ストレス過多などです。また高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病も脳血管疾患のリスクを高めます。

検査について
脳血管疾患の診断には、さまざまな検査を行う必要があります。MRIを用いて脳の断層や血管の状態を可視化する画像検査、脳への血流の状況をチェックする頸動脈エコー検査、心電図による不整脈の検出、動脈硬化の度合いを調べるABI検査などを通じて、脳血管疾患の治療計画を作成します。
治療について
脳血管疾患における治療は、急性期の治療と回復期のリハビリテーションに大きく分かれます。急性期には、血栓溶解療法による血流回復や、高血圧・高血糖管理といった薬物治療、必要に応じた外科的介入が行うのが特徴です。回復期には、物理療法、作業療法、言語療法を含む包括的なリハビリテーションを実施し、患者様が日常生活に復帰できるようサポートいたします。

動脈瘤

動脈瘤は、血管の壁が弱まり、風船のように膨らんでしまう状態のことです。多くの場合、動脈瘤は特に症状を引き起こさず、日常生活に影響を与えません。しかし、静かに症状は進行し、突如破裂するケースがあります。
動脈瘤が破裂すると、周囲の組織に対して血液が漏れ出し、場合によっては命に関わる出血を引き起こす可能性があります。破裂するリスクは、動脈瘤の大きさや位置、そして成長の速さによって異なります。

検査について
大動脈瘤の診断には、瘤の大きさや位置を正確に把握できるCT検査やMRIを用います。大動脈瘤が確認できた場合、手術を行うかどうかを判断するために有効なのが大動脈造影検査です。
大動脈造影検査は、血流の状態や動脈瘤と周囲の血管との関係をリアルタイムで観察できるのが特徴です。複数の検査を組み合わせることで、手術前の計画をより精密に立てるのに役立ちます。
治療について
治療法の選択は、動脈瘤のサイズ、形状、位置、患者様の年齢や全体的な健康状態など、多くの要因を考慮する必要があります。動脈瘤の治療は主に「開頭クリッピング術」と「血管内コイル塞栓術」の二つに分かれています。
「開頭クリッピング術」は、患者様の頭蓋を開け、動脈瘤の根元に小さなクリップを設置し、血流が瘤内に入るのを防ぐ治療法です。一方、カテーテルを使って脚の血管からコイルを動脈瘤に導入し、内部を塞ぐのが「血管内コイル塞栓術」です。

内分泌疾患

甲状腺機能亢進症

甲状腺のホルモン分泌機能が過剰になることが原因で引き起こされる病気ですが、甲状腺ホルモンの分泌機能が高まる原因は多々あります。
もっとも多いのは、免疫の異常によって発症するバセドウ病とされています。

検査について

血液検査:下記の内容を調べます。

  • TSH(甲状腺刺激ホルモン)が基準より低い
  • FT4(甲状腺ホルモン)が基準より高い
  • TRAb(TSHレセプター抗体)陽性

心電図:下記の内容を調べます。

  • 心房細動(心房が痙攣したように細かく震え、血液をうまく全身に送り出せなくなる状態)
治療について
バセドウ病の治療は、薬剤の投与、外科手術、放射性ヨウ素治療の3種類に大別されます。バセドウ病と診断した後は、まず薬剤を使った治療を実施します。しかし、薬剤の使用で改善が見られない場合や、体質などの都合で薬剤の使用が向かない場合は、外科手術や放射性ヨウ素治療も候補に上がります。
検討の際には患者様の年齢や甲状腺の状態、甲状腺腫瘍やバセドウ病からくる目の症状の有無、その他の疾患を併発しているかどうかなどを総合的に考慮しつつ、患者様とも相談しながら治療方針を決定していきます。外科手術と放射性ヨウ素治療のどちらを行う場合も、ホルモン値を下げるための薬物治療を先行します。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの合成や分泌が不十分な場合や、甲状腺ホルモンの作用が低下しているときに起こります。
症状としては、代謝の低下に関連する無気力や記憶力の低下、疲労感やむくみ、便秘や体重増加などがあります。また悪化すると認知症につながることもあるので注意が必要です。
甲状腺機能低下症には複数の種類がありますが、代表的なものに橋本病があります。

検査について

血液検査:下記の内容を調べます。

  • TSH(甲状腺刺激ホルモン)が基準より高い
  • FT4(甲状腺ホルモン)が基準より低い
  • TgAb(抗サイログロブリン抗体)陽性

甲状腺エコー:下記の内容を調べます。

  • 首元の甲状腺ホルモンを出す部位に超音波を当てて、石灰化やのう胞、腫大の有無などを確認します。
治療について
甲状腺機能低下症の代表的な疾患である橋本病は、治療をしても完治はできません。とはいえ橋本病でも治療の必要がない方のほうが多いですし、お薬を処方することで症状を抑えることも可能です。
投薬の目的は、低下した甲状腺ホルモンを正常化することです。薬剤の量は少量から始めて、甲状腺機能が正常化するまで少しずつ増やします。正常化ができて症状の緩和が見られれば、その量を維持します。一方、甲状腺機能が正常化しているのに症状が治まらない場合、他の疾患の影響も検討します。
また、甲状腺機能の低下が一時的なものであるケースも見られるので、投薬から1~2ヶ月程度で甲状腺機能が正常化したのであれば、処方を休止して様子を見る場合もあります。
ヨウ素の接種が多いことで甲状腺機能に影響が出ているのであれば、ヨウ素の利用を抑えることで甲状腺機能が正常化することもあります。甲状腺機能の低下に関連する症状がなければ、一定期間経過観察を行って、甲状腺の機能が回復しない場合にのみ投薬を開始することもあります。

その他

花粉症

花粉症、もしくは季節性アレルギー性鼻炎は、スギやヒノキなどの植物から飛散する花粉によって引き起こされるアレルギー反応です。
「毎年、花粉の季節が来ると、くしゃみや鼻水、鼻づまりが止まらなくて……。」といったお悩みは年々増えています。実際に日本では、約4人に1人が何らかの形で花粉症に罹患しているといったデータがあります。

検査について
花粉症のアレルギーを診断するためには、血中IgE検査、皮膚反応検査、および鼻粘膜誘発テストなどを行います。特に鼻粘膜誘発テストは花粉症の診断に効果的な検査です。鼻の粘膜に直接特定の花粉を貼り付け、反応を観察します。これらの検査により、アレルギーの原因を正確に特定し、適切な治療法をご提供します。
治療について
「目が痒い、鼻水が止まらない」といった症状には、抗ヒスタミン薬が効果的です。これらの薬は、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンの作用をブロックし、症状を軽減します。現在では眠りが抑えられるタイプの薬も開発されているので、安心してご相談ください。抗ヒスタミン薬だけでなく、抗ロイコトリエン薬、少量の内服ステロイド、点鼻ステロイド、点眼薬を、患者様の症状や環境から判断して組み合わせます。

アレルギー

人間の免疫システムは、侵入してくるウイルスや細菌と戦うために存在します。しかし、何らかの要因で本来体を守るべき免疫機能が、特定の食べ物や花粉などに過剰反応してしまうことがあります。これがアレルギーの発症メカニズムです。症状としては、皮膚のかゆみ、湿疹、くしゃみ、鼻水などが代表的です。

検査について
アレルギー検査は、患者様が特定のアレルゲンにどのように反応するかを明らかにし、効果的な治療法を見つけるための重要な手段です。代表的なのが、血中IgE検査と皮膚反応を調べる皮膚テストとなります。
血中IgE検査では、採血を通じて特定アレルゲンに対する体のIgE抗体レベルを測定し、アレルギー原因を特定します。皮膚反応検査は、皮膚に直接アレルゲンを適用し、反応を観察することで、敏感な物質を識別します。
治療について
アレルギーの治療では、症状の種類および度合いによって、さまざまな薬物を組み合わせる必要があります。抗ヒスタミン薬はアレルギー反応によるくしゃみや鼻水を抑え、ステロイド薬は炎症を緩和し、気管支拡張薬やアドレナリン自己注射薬は重度の反応に対処します。またアレルギー疾患への長期的かつ根本的なアプローチとして、特に有効なのがアレルゲン免疫療法です。体を徐々にアレルゲンに慣れさせ、アレルギー反応そのものを軽減させることを目指します。

認知症

「昨日何を食べたか覚えていない」「忘れ物をすることが増えた」「待ち合わせの日程をど忘れしてしまった」。このような現象があれば、認知症の初期徴候かもしれません。年齢を重ねると共に、脳の細胞が徐々に損傷を受け、記憶力の低下や日常生活におけるさまざまな困難が生じるようになります。

検査について
認知症を正確に診断するためには、詳細な問診、身体検査、神経心理学的検査、脳画像検査などを行っていきます。特に重要なのが、神経心理学的検査です。これは、簡単な質問に答えたり、特定のタスクを実行したりすることで、認知症の種類や進行度を特定する手がかりを得ることができます。単に認知症があるかどうかを判断するだけでなく、患者様の認知機能のどの部分が影響を受けているかを理解する上でも不可欠です。
治療について
認知症に対する根本的な治療法はまだ見つかっていません。そのため治療法としては対症療法がメインです。薬物療法やリハビリテーションを利用して、症状の進行を遅らせることで、患者様の生活の質の維持や改善を目指します。

骨粗しょう症

骨粗しょう症は、加齢、栄養不足、特定の医薬品の使用、遺伝的要因、活動不足などによって骨の密度が減少している状態です。その結果、通常ならば問題を引き起こさないような軽い衝撃だけでも、骨折する可能性が高まります。日常生活での転倒や軽い衝突が大きなリスクとなるため、長期的な観点で骨密度の回復を目指す必要があります。

検査について
骨密度測定は、骨の健康を評価し、特に骨粗しょう症や将来的な骨折リスクを判断するための重要な検査です。X線を用いたDXA(デュアルエネルギーX線吸収法)や超音波などをもとに、カルシウムやリンといったミネラル成分の量を測定し、骨の密度を確認します。
治療について
骨粗しょう症の治療は、骨折リスクを少しでも減らせるように、骨の強度を高めるのが特徴です。そのためにも適切な運動計画の作成、栄養バランスの取れた食事指導、そして必要に応じて薬物治療をご提案します。特に、定期的な運動は骨密度を向上させる効果があり、カルシウムやビタミンDなどを中心とした食事は、骨を丈夫に保つのに役立ちます。さらに、特定の医薬品は骨の代謝を正常化し、骨粗しょう症の進行を遅らせる効果が期待できます。これらの治療法を適切に組み合わせれば、日常生活の質の向上と、骨折によるリスクを最小限に抑えることが可能です。

過活動膀胱(頻尿、尿失禁)

過活動膀胱は、突然の強い尿意、頻繁なトイレへの行き来、そしてコントロールできない尿失禁が主な特徴です。神経系の障害、尿路感染症、膀胱への過度な刺激(例えば、カフェインやアルコールの摂取)、さらには加齢による身体の変化などが、過活動膀胱を引き起こす要因として知られています。

検査について
診断には、問診、身体検査、尿検査、尿流測定、残尿測定、超音波検査、採血、排尿日誌、内圧尿流測定などが含まれます。これらの検査を通じて、病状の原因を特定し、適切な治療方針を立てます。
治療について
過活動膀胱の治療には、まず生活習慣の見直しに焦点を当てます。次に行動療法と薬物療法を組み合わせるのが基本的な方針です。生活指導では、適切な水分摂取、便秘の予防、体重管理についてアドバイスを行います。行動療法とは、尿意を感じた際にトイレへ行くまでの時間を徐々に延長し、膀胱の容量を増やす訓練のことです。症状の改善が難しかったり、日常生活の質を大きく下げたりしている場合は、膀胱の過剰な活動を抑える薬を用い、尿意の頻度や急な尿意を減らします。

前立腺肥大症

加齢に伴うホルモンバランスの変化などで、前立腺は少しずつ成長します。通常ならば問題となりませんが、尿道に圧力をかける状況にまで症状が進むと、尿の流れの変化、夜間頻尿、尿が出にくい、尿切れが悪いなどの症状を引き起こします。これが前立腺肥大症です。特に50歳以上の男性によく見られます。

検査について
前立腺の肥大を確認するためには、超音波検査が行われます。患者様の下腹部に超音波装置をあてるか、より詳細な画像が必要な場合は肛門から装置を挿入して前立腺の大きさや形状を評価します。
治療について
前立腺肥大症の治療には、薬物療法を行うのが一般的です。症状の程度に応じて、前立腺のサイズを縮小させたり、尿道の圧迫を和らげたりする薬を処方します。ただ、重症化している場合は経尿道的前立腺切除術(TURP)が必要になる可能性もあります。これは余分な前立腺組織を取り除き、尿道を通る尿の流れを改善する外科手術です。

貧血

「最近、階段を上がるだけで息切れする」「立ち上がるとめまいが起こることが増えた」「日中の倦怠感が強い」などの症状があれば、貧血の可能性があります。貧血は、赤血球やヘモグロビンの低下により、体内の酸素輸送能力が落ちている状態です。結果的に疲労感、頭痛、立ちくらみ、めまいなどを引き起こします。

検査について
診断の第一歩として、血液検査を行います。赤血球の数やヘモグロビンの濃度、ヘマトクリット値(血液中の赤血球が占める割合)、フェリチン(貯蔵鉄量と相関する)を測定することで、体内の赤血球の状態を詳しく調べることが可能です。他にも鉄分の状態を詳しく調べる検査、ビタミンB12や葉酸の測定などを行うこともあります。これらの検査によって、貧血がどの程度進行しているかを分類し、それに応じた治療計画を作成します。
治療について
軽度の貧血においては、バランスの取れた食生活の指導や鉄剤の補給によって症状の改善を目指します。ただ、もともと貧血傾向の方や症状が重度の場合には、定期的な鉄剤の内服が欠かせません。症状の改善には、長期間の治療が必要になることもあります。

膠原病

膠原病は、体の免疫系が正常な組織を誤って攻撃することによって起こる一群の疾患です。症状としては、関節痛や手のこわばりなどの症状を引き起こします。病状が進行すると、皮膚、血管、内臓などの部位にも炎症が起こるのが特徴です。膠原病の原因は完全には明らかになっていません。遺伝的要因、環境要因、ホルモンの影響などが複雑に絡み合っています。

検査について
膠原病の診断プロセスでは、患者様の症状を詳しく確認し、その上で血液検査、尿検査、画像検査などの一連の検査を行います。これらの検査を通じて、免疫系の異常や炎症反応を示すマーカーを検出し、疾患が影響を及ぼしている可能性のある臓器の状態を評価します。特に血液検査では、膠原病に特有の抗体の有無を調べることで、病気の種類や進行度を把握することが可能です。
治療について
膠原病の治療には、ステロイド剤や免疫抑制剤を用います。完治を目指すものではなく、病気の進行を遅らせ、症状を緩和させることが目的です。治療計画は、患者様の状態に応じて変化します。膠原病は治療が難しいとされていますが、早期診断と適切な治療により、症状の管理と患者様の生活の質の向上が期待できます。

悪性腫瘍(癌)

がん細胞は、正常な細胞と異なり、成長と分裂の過程において体の制御機構を無視します。そのため、がん細胞が生じると、無秩序に分裂し続け、周囲の組織に浸潤します。さらには血流やリンパ系を介して体の他の部位に転移してしまうのです。

検査について
がんの早期発見と治療は、治療成績を大きく改善するために非常に重要です。診断には、問診、視診、触診のほか、超音波検査、CT、MRIといった画像検査、そして組織診断が必要です。これらの検査を通じて、しこりの性質、がんの存在、その種類、進行度、および転移の有無が明らかになります。
治療について
悪性腫瘍の治療には、手術による切除、抗がん剤治療、放射線治療が主に行われます。がんの種類や進行度、患者様の全身状態に応じて、適切な治療法は変わります。